Hej! スウェーデン語専攻4年5回のShokoです。今回はスウェーデンのfolkhögskola(フォルク)で自然保護・動物保護について学んでいた私の留学体験記をご紹介します。
基本情報
🗓️留学期間:2022年8月~2023年7月(学校自体は6月に終了しましたが、旅行で7月までいました)
🏫留学先:Klarälvdalens Folkhögskola
✏️コース:Natur- och faunavård(自然保護・動物保護)
💲留学費用:寮費4640kr(平日3食+Fika付き)
飛行機代・保険代・生活費等全て(休暇中の旅行は除く)を含めた留学費用の総額は180万円ほどになりました。授業で年中自然に赴くため、マイナス20℃になる冬からプラス25℃以上になる夏に対応出来るアウトドア用の衣服や装備代等の購入には他の人よりお金がかかりました。
留学先の環境
フォルク(学校)はストックホルムからもヨーテボリからも公共交通機関で6時間ほど離れたVärmlandのStölletという、川と森に囲まれた人口200人強の村にあります。Stölletには学校から徒歩5分の小さなスーパー以外にお店はありませんが、日常生活には問題ありませんでした。大きな買い物をしたい時は、友達の車に乗せてもらって40分離れた隣町のTorsbyにある大型店舗のスーパーに行くこともありました。
フォルクの周りにはいかにも北欧らしい針葉樹の森が広がっており、自然が好きな私にとってはそんな森にすぐ行けることが幸せでした。
フォルクについて
通っていたフォルクにはコース別に計3つ校舎が存在しており、私のいたStöllet校舎には当時私たちのコースの人しか寮に住んでいませんでした。加えて学校が田舎に位置しており、かつ遠方から来ているクラスメイトが多かったため、放課後や休日に実家に帰る人がほとんどおらず、クラスメイトとはずっと一緒に過ごしていたので仲が深まりやすかったです。
寮に関しては、各自の部屋はありますがキッチンやトイレ・シャワーは共用で、4人で1棟に住んでいました。寮の裏には焚火場やサウナ、Badtunnaという薪で沸かす屋外風呂があり、そこは季節を問わずクラスメイトとの団欒の場でした。学校の真横には湖ではなくKlarälvenという大きな川が流れており、夏場やサウナ後に冷たい川の水に浸れるのはこのフォルクならではです。
コースについて
クラスメイトは22人で、高校を卒業したばかりの10代から、キャリアアップのために仕事を1年休んで来た子どもを持つ40代の方まで、様々なバックグラウンドを持った人たちがいました。
授業の半分は座学でもう半分は教室の外に出て実際に森や水辺に赴くフィールドワーク形式で構成されていました。森林保護・レッドリストの生き物・フクロウやカワウソの生態調査・河川の再生・雪の上の足跡を通じた動物の生態調査などの幅広いテーマで自然保護について学ぶことができました。また、時々泊りがけで異なる自然環境が広がる地域に行くこともあり、授業はとても充実していました。特に生物多様性の基本知識となる生き物の種類に関しては、菌類・地衣類・コケ植物・植物・虫・鳥・動物・魚といったありとあらゆる分野を網羅し、スウェーデンの自然に自分でも驚くほど詳しくなりました。
フォルクの授業の特徴の1つに「自由さ」が挙げられると思います。例えば、フィールドワーク形式の授業では、話をしている先生に必ず付いていく必要はなく、集合の声が掛かるまで各自の興味関心の惹かれるままに行動しても良いという形態を取っていました。始めは慣れませんでしたが、クラスには様々な分野に精通した人がいて、先生だけでなくクラスメイトからも学べることがたくさんあるため、むしろ互いの知識を高め合うことができていました。
自由時間・休日
授業後の自由時間も休日もいつもみんなで何かしらしていました。村にはフォルクの生徒であれば好きに利用できるジムと体育館があったのでそこで運動をしたり、映画を見たり、ボードゲームをしたり、散歩をしたりしていました。また天気が良い時には、きのこ狩りに出かけたり、遠出をしてハイキングをしたり、森にある小屋Stugaに一泊したりと授業外でも自然に囲まれて過ごしていました。
スウェーデン語について
始めは何か聞かれてもja/nej(はい/いいえ)でしか答えられず、さらに会話の人数が増えると途端に全くついていけず、言語の壁に直面して落ち込むことは何度もありました。ですが、出来る限り一人でいる時間を作らないようにめげずにスウェーデン人の輪の中に積極的に入っていったことで、少しずつスウェーデン語で会話することに慣れて行き、帰国する頃にはクラスメイトや先生に会話の途中でふと「上達したね!」と褒められるくらいにはなりました。
留学を振り返って
私が思うフォルク留学の魅力は、スウェーデン社会に溶け込める環境で生活出来ることです。授業では生徒の自主性が尊重され、授業外の時間も常にスウェーデン語でスウェーデン人と関わる中で、実際に自分の目で見て肌で感じることでしか得られないものがあります。「環境先進国」のイメージが強いスウェーデンが抱える自然保護の理想と現実のギャップを目の当たりにし、それを授業で学ぶだけでなくスウェーデン人の日常や社会を知ることでより深く理解できたことは、留学したから得られた経験です。
1年弱の留学はどの場面を切り取っても何事にも代えがたい経験になり、本当に「留学に行って良かった!」の一言に尽きます!もし機会があるなら、是非留学という選択肢を取ってみてください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。Tack och vi ses!